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人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★”みりん醤”で風味豊かに。本格広東焼味

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流山本みりん こぼれ梅

古式ゆかしい製法で造られる、甘みと旨みに優れた発酵食品

こぼれ梅とはみりんの絞り粕のこと。その姿が、満開に咲き誇る梅の花に似ているからと風情あふれる名前で呼ばれる。千葉県流山市の「流山本みりん こぼれ梅」は、原料のもち米も米麹も国産を使い、昔ながらの製法で造られるみりんの絞り粕だ。「発酵食品の価値が見直され、甘酒やスイーツのほか、スムージーにするというお客様もいます」と製造元の『かごや商店』取締役の金子早苗さん。濃厚な甘みとアミノ酸やコハク酸など旨み成分が含まれ、肉をやわらかくする効果もあり、肉のみりん粕漬けなどにもおすすめだという。パック入り100g100円、300g300円(税抜)で販売。業務用には真空パック入り200gや1㎏なども用意する。

■かごや商店((http://www.kagoya-group.co.jp/)

こぼれ梅醤の広東焼味

こぼれ梅を使った粒々感の残る“みりん醤”を焼きダレにし、風味よく焼き上げる。豚肉は叉焼醤に漬け込んでから、鶏肉はマリネしてひと晩干してからと、肉の旨みを引き出す仕事がポイントになる。時間を見て焼き上げ、コースのメインとして提供したい。
●参考売価1994円/原価648円

■材料(作りやすい分量)
<こぼれ梅叉焼>
豚肩ロース肉 1本(約230gのサク)
叉焼醤(作りやすい分量)
塩 500g 醤油 200g
 粒みそ 2㎏ 紅南乳* 2缶
 ニンニク 50g 生姜 50g
 メイクイル酒(野バラのリキュール) 150g
 ゴマ油 50g 五香粉 20g
★みりん醤 適量
<こぼれ梅鶏>
丸鶏 1羽
鶏の下味(割合)
 塩 1
 グラニュー糖 0.3
 オニオンパウダー 0.3
★みりん醤 適量
皮付きピーナッツ* 適量
* 頂湯/豚モモ肉と老鶏を熱湯で茹でてアクと汚れを取り除き、水と金華ハム、龍眼肉、白粒胡椒と一緒に約6時間蒸す。静かに漉してスープに。
* 干し肉/皮付き豚バラ肉をサク状に切り、焼いてコクを出した香味野菜(ネギ、生姜、ニンニク、唐辛子、ローリエ、山椒)と一緒に醤油ダレに漬け込み真空パック。この状態で4日間漬け込んでから、2~3週間風通しのよい日陰で干す。
*皮付きピーナッツ/皮付きのピーナッツを醤油と水、砂糖、レモン果汁、レモングラス、バイマックルーと一緒に煮て、風味をつける。
*紅南乳/豆腐を塩漬けにして発酵させ、ワインや香辛料、紅麹に漬けた発酵調味料。肉料理によく合う。

    ■作り方
    <こぼれ梅叉焼>
    1 豚肩ロース肉は1本約230gのサクに切ったものを用意する。
    2 叉焼醤の材料を混ぜ合わせ、1の豚肉を6時間漬け込む。
    3 豚肉についた叉焼醤を取り除き、みりん醤をぬり、チャーシュー釜につるし、やや弱火でこんがりと焼き色がつくまで焼く。余分な脂が落ち、肉に弾力が出てくるのを焼き上がりの目安にする。
    <こぼれ梅鶏>
    1 丸鶏は琵琶の形にさばいたものを用意する。
    2 1の鶏肉に下味の調味料をまぶし、ひと晩風干しにする。
    3 鶏の身側にみりん醤をぬり、チャーシュー釜につるし、やや弱火で焼き、こんがりと焼き色をつける。叉焼同様、肉の弾力で焼き上がりを確認する。
    <仕上げ>
    こぼれ梅叉焼とこぼれ梅鶏を食べやすく切りる。皿にこぼれ梅叉焼200g、こぼれ梅鶏1/4羽分を器に盛って皮付きピーナッツを添える。

    ★みりん醤
    材料(割合)
    こぼれ梅(みりん粕)2、水2、紹興酒0.3、濃口醤油0.5
    作り方
    こぼれ梅に水、紹興酒、濃口醤油を加えて粒感が残る程度に練り混ぜる。

    「流山本みりん こぼれ梅」を活かすPOINT
    ◦みりん粕の旨み、甘みを生かして“醤”にする
    ◦焦げやすいため、通常よりやや弱火の火加減で調理

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    【シェフ紹介】
    中国料理 文菜華(千葉・柏)オーナーシェフ 渡辺展久氏

    中国料理で「旨み」と言えば、うま味調味料のイメージが強い。だが、渡辺シェフの旨みに対するアプローチは「素材の持っている旨みをいかに引き出し、“味”にしていくか」ということ。だから、素材にこだわるのは必然。そのほとんどがシェフの地元である千葉県産であり、柏市産だ。今回紹介する「こぼれ梅」はみりん粕のこと。100%国産のもち米を使って作る『かごや商店』のみりんの絞り粕を“醤”に仕立て、肉の焼き物に使用。自然な甘みにアミノ酸の旨みで、肉もふっくらジューシーに仕上げた。

    千葉県柏市出身の1978年生まれ。アルバイトをきっかけに中国料理に目覚め、調理師学校へ。卒業後、『聘珍樓』などで広東料理を学び、26歳で独立。2007年に『中国料理 文菜華』をオープンした。旨みを引き出す独自の技法で注目を集める。
    素材に恵まれた日本の“広東料理”を提唱し、遠方からもお客を呼ぶ名店。ランチは2160円~、ディナーは4860円~その味を楽しめる。
    ■住所/千葉県柏市東上町20-2

    ※月刊「近代食堂」2016年3月号に掲載した内容を再編集しています

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